ほぼ毎日ごはんを作っている

帰りに寄った芳林堂でのおばあちゃんと孫(12才くらい。ランドセルしょってる。)の会話。「おばあちゃん、五木寛之より宇野浩二深沢七郎の本買ってよ。」12才で宇野浩二・・・12才で深沢七郎・・・お前は絶対にまともな大人にはならないだろう、と思った。

仕事場は日本橋にあるので電車に乗っていかなければならないのだけど、通勤電車は本当に大嫌いだ。嫌だと思う人ばかりたくさん乗っている。まあ自分もその一人なんだけど。ずっとズボンのベルトをカチャカチャやっている痴漢ふうのおっさんと、香水臭くずっとメールをやっているユニクロのGジャン(昔はやったやつ)の女性が今日は特に嫌だった。でも、最近電車で一人だけ好きな人がいて、それは九段下から乗って日本橋で降りるOLふうの女の子なのだ。化粧ッ気があまりなくてやせても太ってもいなくて「シガテラ」の南雲さんにちょっと似ているかわいい人だ。襟が小さめのコ−デュロイの黒のジャケットとかいつもちょっとダサめの「ノンノ」みたいな格好をしているのがよく似合い、よく使い込まれた感じの革の鞄からはいつも違う柄のハンカチがきちんとアイロンをかけてのぞいていて同じクラスとかにいたら間違いなく友達になっていただろうタイプだ。電車に乗ってくるだけで嬉しくなるくらいだからあんな清涼感のある人が同じ職場の人はちょっとうらやましい。

そういえば最近、働いていて男の人(とか妹とか)と住んでいる人と話していると、かならず、「ごはん作ってる?」という話になる。というか、「ごはん作るのめんどくさいよね」という話になる。実際わたしも皆どうしているのかいつも気になる。今日も職場のおばさんとそういうはなしになった。ほんと帰ってから作るのってめんどくさいよ、正直。「カレーばっかり作ってますよ」とわたしはいつも答える。実際、カレーばかり作っている。数日もつし、他におかず作らなくていいしおいしいし、カレーは最高だ。職場にいる新婚の人は「3日間連続、鍋にした。一緒に住んでから鍋ばかり。」と言っていた。
いくら高山なおみが好きといってもしょっちゅうのんびり大根が煮えているのを見ているわけにはいかないのだ。残念なことに。雑誌に載っている19時から作るカンタン晩ご飯とか、20分でできるレシピ、とかも時間通りに作れた試しがない。なぜならそういうレシピにはつきものの「朝の下ごしらえ」というやつが絶対できないからだ。家に帰ると、レシピを読むのもめんどくさいのでいつもてきとうにスピードクッキングする。
しかし、今日は前の晩に煮物を作っておいたので、スピードクッキングする必要はなかったのだ。誇らし気な気分。芳林堂や馬場の陶器市を見ながらのんびり帰ってくる。今日の夕食は、豚バラ大根、さしみこんにゃく(コチュジャンみそ、しょうが醤油)牡蠣の味噌汁、納豆。