彼女達について知っている二、三の事柄

ここのところ通勤の時にも、帰る時にも、新入生がたくさんいるせいで無駄にイライラすることが多い気がする。わたしの住んでいる沿線には大学、短大、専門学校がたくさんあり、新入生がたくさんいるのだ。自分より少し年が下の男女がワイワイやっているのを見て胸がムカムカするのは年をとったせいか、とか、もしかして淋しいのか?とも少し思ったけど、中高生のときのことを考えれば、別にそういうわけでもないとも思う。
若者はたくさん電車に乗っているけれど、なぜ彼ら彼女らが新入生だとわかるのかといえば、体に馴染んでいない新しい服(入学祝いに親とデパートに行って買った)、スタイリング剤がたくさんついた、パーマをあてた髪(4月からイメージをチェンジするためにパーマがてっとりばやく選ばれる)、列を乱す歩き方、8〜10人の集団行動、大きな声などのせいだ。これに、女子に限って言えば、ジャケットにフワフワしたスカート、キラキラしたベルト、ストッキングにサンダルかヒール靴、妙にカン高い声のゆっくりとした喋り方、というここ数年きまっている新入生特有の服装と話し方が加わるだろう。最近では、服装と話題でどこの学校の新入生かまで分かるようになってしまった。(センター試験とか、テストの話をまだしつこくしているのは早●田大学の男、黒いシールを貼ったトランクみたいなのを持って男女グループで行動していてうるさいのがE●P、全体的に大柄なのが早●田の女。)
夏ぐらいになってふと気付くと彼らの姿をまったく見ないけど、一体どこに行ってしまうのだろうね。とても不思議だ。服はだんだん古び、声はだんだん小さくなり、8〜10人グループはもめごとなどで解散してしまうのだろうか。そして、自分が新入生だったときもあんなにうざい感じだったんだろうか。まったく思い出せない。
ただ、少しだけ思い出すことといえば、妙にハイテンションだった、もしくはどうにも馴染めない感じだった数人のクラスメートが5月の連休あたりが終わると鬱になって実家に帰ったり、下宿にひきこもったりしたことだ。そうやって勢いよく外に出始めた何人かはあと一ヶ月もすればいなくなるのだった。