ライブ

朝、勇気を出して数年ぶりに歯医者に行く。歯医者に行くのが何がイヤかって、音とか痛さとかもイヤだけど毎回「何でここまで我慢したの」と怒られるからイヤだ。何で病院行って怒られなきゃいけないんだ。
近所の歯医者は、とても新しくきれいで、待ち合い室には「週刊文春」やら「VERY」やら雑誌がたくさんあって、緊張をほぐすためなのか診察台の上に大きなモニターがあって、熱帯魚が泳ぐ目障りな映像が映っていてひっきりなしにヒ−リングミュージックがかかっている。値段がものすごい高いのではと怯えてしまって、「保険範囲内で」と聞かれてもないのに言ってしまう。予約してなかったので1時間くらい待つことになっていろいろな雑誌を読んでたけど週刊誌ってなんであんなに差別的なことばっかり書かれているんだろう。女のテレビタレントを叩く記事とか大体、「あの女がおかしいのは子供を産んでないからホルモンバランスがおかしいせいだ」「最近は男がいないようなので欲求不満に違い無い」とか書いてあるのでふつうにとても驚く。皆、そういうの読んで溜飲が下がってるのだろうのか?びっくりだ。おっさん(と、おっさんに媚びているうちにおっさん化してしまったオヤジ殺しの女)が、おっさんのために書いてるからこうなるのか?イヤな気分がさらに増幅してしまう。
まあなんとか無事治療を終えて、代々木へ。ZHER THE ZOOに来るのははじめて。駅から近いし、とてもきれいで広い。しかし楽屋のドアがびっくりするほど開きにくくてさっそくドアに手をはさむ。指から血を流しながらリハ。
最近出演したイベントではめずらしい、というのが情けないのは承知だけど、オープンしてすぐに人がたくさんやってきて、出番が一番目なのに客がたくさんいる。嬉しい。ライブも大盛り上がりでまあとても楽しくできたと思う。最近いつも最後にやっている新曲は、スタジオでやっている時は結構?だったけどライブでちゃくちゃくと成長してきている感じがする。富島くんからベトナムのみやげの虫の音のする楽器をもらってライブで使おうと思ったのに、いざ使いたい局面にきたときにバチがみあたらなくてテンパってしまい使えなかったのだけが非常に残念だった。
まちださんとか、前から見てみたかったし対バンしたかった赤い疑惑のベースの人などと楽屋で焼酎を飲みながら話す。面白かった。赤い疑惑は全体的に東京の人だなあという感じで、皆とても優しそうでいい人達。
ライブもよかった。「ミッキーマウスのプロレタリア宣言」など最近流行りつつあるかもしれないフリータ−論を何冊か読んで、すごくいいことを書いていると思うのだけど、どうにも文章堅めだなあ、なんだかどうしても、きちんとしたイデオロギーが自分のアイデンティティの一部として確固としてあり、それに自信を持ちかつ啓蒙したがる人に対して共通に感じる、あまり好きになれ無いエッセンスがここには若干あるかもなあと思ってしまった、フリータ−であるわたしには、赤い疑惑のラップのメッセージの方がなんだか身に沁みる気がした。そして赤い疑惑のアクセルさんの彼女はめちゃくちゃかわいかった。あまりにかわいくて自分から話しかけたくらい。トクマルシューゴさんのライブもすばらしかった。漫想も完売した。打ち上げ出たかったがもう終電。とても楽しい気分で帰宅。