苦手な事、小川さんのこと

昨日の晩から実家で親戚が多く集まるイベントに出席して、たいへんな精神的苦痛を味わった。一人一人は悪い人じゃないだろうが、こういうイベントはとてもとても苦手だ。吐きそうな瞬間と、鼻血が出そうな瞬間が2度ほど訪れたが、なんとか回避した。シャンパンとステーキがうまかったのでそれだけはよかったが、今後はなるべく出席しないで済むようにしたい。

小川てつオ「このようなやり方で300年の人生を生きていく ーあたいのルンルン沖縄一人旅」(キョウトット出版)は、今年度ベストワンの名作だ。居候生活をフリーペーパーにまとめたりいまは代々木公園でテントを張って生活している小川さんのことは、皆で高知に行ったときのメンバーなので顔見知り程度には知っていて、ひそかに敬意を払っていて、ひそかにファンだがそのためなんとなく話せず、いつ会っても「小川さん、こんにちは」しか言う事はないんだけど、この本を読んでますますファンになってしまった。あの今では神々しくさえみえる小川さんが、19才で沖縄似顔絵旅行に出た時はいろいろと悩んだり、「そんなこと若いうちだからできることだよ」とか「もっとまともになれ」みたいな言い方をされて本気で腹をたてたりしているのが驚きだし、この旅行が小川さんの思想的な出発点となって、「若いうち」だけじゃなくずっと一貫してほんとうにやりたいことだけをいまも続けていることに感動する。
似顔絵を描いて得たお金で(この似顔絵がまたすごくよい)小川さんの沖縄の旅は本島から宮古島石垣島と続いていくのだけど、小川さんのものの見方は一貫して冷静で、親切を受けてもひどい目に遭っても他人事のように観察している感じで話は進んでいくのだけど、それでもわたしは最後の方はもうずっと泣きっぱなしで、この本に会えた事に感謝したいくらいの気持ちになった。心からおすすめできる本、小川さんを知っている人も知らない人もぜひ読んで欲しいと思う本だ。取次を一応は通しているみたいだがどこで買えるのかよく分からないので(武蔵小金井アートランドではたぶん買えるとは思うけど)出版社のURLを載せておきます。http://kyototto.com
けど、次に小川さんに会ってもあいさつしかできないと思う。