じゃがいも料理

北杜夫の「どくとるマンボウ医局記」あまりに面白いのでちょっとずつわざと読んでいたけどとうとう読み終わってしまった。残念。精神科医として慶応病院の医局に居た頃を中心に書いている。例によって、年をとってからの躁病期に書かれているので、他の本と被ってる話もけっこうあるし、話は相変わらずポンポン飛ぶのだけど、患者さんへの接し方の優しさに驚いた。躁病期の誇張もあるかもしれないけど、この人全然ヤブ医者じゃないんじゃないの。去年、中井久夫(有名な精神科医)の本を何冊か読んで、文章も素晴らしいし、何より仕事柄か人柄か分からないが人間関係に関する考察が温かくて深くて、とにかくすごい論文だ、と思ったけど、この本にも似たような部分がいくつかあって、中井久夫北杜夫は臨床医として結構似ているんじゃないか。と、ちょっとジーンときていたらこの本、あと書きが最高のくだらなさだった。そんなこと活字に(しかも文庫)してホントにいいの?と心配になるくらいやばいあと書きだった。

高山なおみの最新刊、「じゃがいも料理」を手に入れてから、じゃがいもばかりゆでている。じゃがいもを皮をむかずにまるごと、一時間ゆっくりじっくりゆでると味が違う、と高山なおみの本には何度か書いてあって、めんどくせー、一時間も。要はじゃがいもの身の中に水分が入らなければいいって話だから、レンジでチンすればいいんじゃないの、と思っていたが、本当に違った。ただのスーパーで買ったじゃがいもがモチモチして、ホントにおいしい。宗教みたいに(なおみ教)だまされてるんじゃないかというくらい。

所沢で仕事の帰り、ひさびさに西友で買い物をしたけど、何で所沢の西友はそんなに安くもないのに清潔でもないのだろう。もっとがんばって欲しい。そして、なぜか保谷西友でもみかけたけど、魚売り場の刺身を店員の目を盗んで勝手に食べている老人を目撃してしまった。西友限定の泥棒のようだ。この店はやたら鶏肉と生クリームとケーキを売ってて変な店だな、と思ったら明日はクリスマスイブだった。一瞬すっかり忘れていた。夕食はタラとコンビーフとじゃがいものグラタン、あさりと大根のトムヤムスープ。あと、おでんの残り。

じゃがいも料理
高山 なおみ著
集英社 (2005.12)
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