「ドッキリチャンネル」じゃないけど

正月はとにかくテレビばかり見た。うちはテレビが壊れてしまっているため、普段テレビを見ないのだけど、テレビのことは決して嫌いではない。でも、ひさびさに見るテレビはとめどなく音声プラス映像が流れて、とにかく惹き付けられ、ついている限りそれが10時間でも12時間でも続くから、一生懸命見ていたら段々ヘトヘトになってきて、でもやめられず、この頃にはテレビのことが恐ろしくなってきていた。でも見ていた。
恐ろしいといえば、この2日前に夜本屋に行ってその帰りに同居人が「公園を通って帰ろう」というのでついていったところ、階段があって、公園はこの上にあるという。何の疑問も持たずに上に上がっていったら何か大きな石のようなものがある。よく見るとそれは巨大な墓で、しかもそれが3つも4つもあり、闇の中からどんどん墓がぼーっと浮かび上がってきたので、思わず「ギャ−」と叫んで階段を転げ落ちるように駆け降りて逃げた。ものすごく怖かった。階段を降りるとそこには「陸軍墓地」と書いてあって、同居人にまんまとだまされたのだった。それ以来わたしはこの九州滞在中とてつもない怖がりになり、犬が吠えても怖い、廊下が暗いのも怖い、テレビで「相棒」スペシャルを見たらそれも怖い、ととにかく何でも怖くてテレビ自体も怖くなってしまったのだ。
でも、一年分はおそらく見たであろうテレビは結構面白かった。あーだこーだ言いながら見ると楽しいものだ。音楽番組をたくさん見て、たくさんの人の歌を聞いたけど、ホントにプロだなあ、上手いなあ、と思ったのはYUKI氷川きよし、森進一の3人だった。YUKIのハローグッバイという曲が歌詞がめちゃくちゃ良くて泣いた。かわいさはあんまりなくて、すごみがあった。逆にケミス●リーと倉木●衣ははじめてみたけどホントに演奏も服装もペナペナで、単なるカラオケで歌が上手い人、みたいな感じで同じ番組内でこんなに上手さに差があっていいものなのだろうか、と心配になった。それから、イギリスのグラストンベリーのフェスティバルに抽選で選ばれたんじゃないか、というくらいの、そこらへんのイモ兄ちゃんみたいなのが出ていて、あまりのひどさが心に残って同居人などCDまで買っていた。さんまがわたしが小中学生くらいの頃から全く変わらずさんまなのがえらいなーと思った。あと、細木数子には絶対に占われたくないと心の底から思った。噂に聞いていた若いお笑い芸人もはじめてたくさん見たけどダチョウ倶楽部のチームワークが一番心に残った。それから、教育テレビでやっていたアメリカの「ウルルン滞在記」みたいな番組がいちいち大袈裟で最高に面白かった。