一人の休日

朝、仕事に行く同居人について、高田馬場のムトウにハノンの楽譜を買いに行く。休みで天気もいいし、気分がいい。でも、電車の中でふと気付くと同居人の目が暗い。同居人はツアー出発以来、ずーっと人と一緒にいたから自分の時間が全然なくて、ストレスが溜まっていたようだ。顔にもう限界、と書いてある。慌ててあやまってピュ−と消える。
わたしはピアノがとても下手だ。コードも知らない。理由はちゃんと練習しないから。でも、今まで人が下手だからいい、とかお世辞を言うからずっとそれに甘えていた。別に、てきとうにローファイな今のままでもいいと思ってたのだ。でも、最近、いろいろな人のCDを聞いて、いろいろな人の演奏を実際に聴いて(南博さん、渋谷毅さんとか)気がかわって、今はすごくうまくなりたいと思っている。だからピアノを習って、練習もはじめた。マイルス・デイビスの自伝を最近読んだら、40才くらいのマイルスに17才くらいのトニ−・ウィリアムスが「練習しろ」と怒ってて、言われたマイルスが練習しててビックリした。それで、トニ−・ウィリアムスのドラムを注意深く聴いてみたら、ドラムのことなんか全然わからないけどほんとにすごくて、それはもう音楽そのもので、こんな風にピアノが弾きたいと思った。もう26才で手後れ感がなきにしもあらずだけど練習している。
スッパさんの日記「すっぱのひろくふかく」を読む。今まで全然読んで無かったけど、ある掲示板の書き込みで野次馬的興味を持って読みはじめたら夢中になって、どんどん前に日記まで読んでしまう。家族について書いてある所がすごく好きだ。お母さん(奥さん)のいつもプンプン怒ってる感じ、娘の無口で不機嫌な感じ、お父さんのオロオロしている感じ、まじりっけなく楽しいことはあんまりなくて、理解できないこととか嫌なことがいっぱいあるあの感じ。皆でテレビを見たりカラオケをして、一応仲良くなりたいのにどうにも気まずい雰囲気が流れたり。実家で家族と住んでいた頃をすごく思い出す。母親に何でもかんでも怒られて、こんな家出て行ってやる、と毎日毎日思ってたけど、あの感じが家族そのものだ。懐かしいな。Aさん(娘)もいつかきっとなつかしいなと思うだろう。