目白シリーズ再び

金井美恵子の新作が出たので買う。読む。思いがけず、大好きな目白シリーズの登場人物たちが出てきたので、驚いて涙が出た。何度も何度も読み返しては会いに行っていたあの人たちに、2006年になって、会えるなんて思ってなかった。現役作家は死んで、前作で赤ん坊だった綾は賢い娘に育って京都の大学に行き、中野勉は批評を書かない悠々自適な大学教授になって、中野桜子はローストビーフとヨークシャープディングが得意な「料理上手の奥さん」となって「よゆう通信」に登場するのだ。(このあと、桜子が小説を書くことが暗示されてる)目白の紅梅荘に住む高学歴フリーターの桃子と、花子、岡崎さんにもまさか会えると思ってなかった。桃子が35過ぎてもフリーターで服がぼろぼろで、カツカツだったのは、自分の未来を見るようでホント、笑えないよと思ったけど、今回とうとう桃子も進路(?)を決めざるを得なくなった、という感じで、この感じだと、サザエさんと違ってリアルな時間を生きているこの目白シリーズの登場人物たちの今後は、もう読むことはできないのかも、と思ってしまう。そんなの嫌だ。あと5年後くらいにまた続きが読みたい。

夜、中西ちゃん来る。オムレツ、スープそうめんなど簡単なものを出し、いろいろ話す。ビールも焼酎も飲んだが、10時には解散。多摩カジ工房が小金井に移転して、近所に越してくるからこれからはもっとたくさん会えるのだ。楽しみだなあ。

快適生活研究

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文章教室 (河出文庫―文芸コレクション)

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