スゴロク

朝の11時11分11秒から夜の10時11分11秒まで合計11時間11分11秒行われるマイアミさんとオオノ君のイベント、スゴロクが武蔵小金井アートランドであった。この日、わたしはパネルディスカッションに参加しなければならないのでそうとう気が重く、昼は所沢などでだらだらと時間をつぶし、3時すぎにアートランドに着く。着いたら演劇をやっていて、それが終わったらすぐにディスカッションの時間だった。場がテーマの1時間、性がテーマの1時間ということで、後半に出演したのだけど、前半も後半もそうとうに弁のたつ、そうそうたる強者ばかりで皆自己紹介も長く(経歴がいっぱいあるのだ)、変な人(失礼)もたくさんいたのですっかり怯え、なんでわたしはここにいるんだろうと心の底から思う。まあ、そのおかげで皆がバンバン喋って、おおいにもりあがり、わたしはほとんど全く喋らないでおかしをポリポリ食べているだけで済んだのでホッとした。わたしよりむしろお客さんの中に話したいことがたくさんありそうな人がいっぱいいそうだったので譲りたかった。
その後はご飯タイム。ピョンチーとオオノ君が作った野菜とあまねさんの作った米による無農薬の野菜だけの料理(キムチ鍋、みそ味の鍋、すいとん、チジミ)を食べる。野菜が肉みたいに自己主張があるから肉なしでも本当においしい。スーパーで買って作ってもこうはならないだろう。その後、ピョンチーによるレクチャー。
で、その後もライブがあったり金井さんによるセックスワーカーの話があったり、マイアミさんとオオノ君のあいさつがあったり、酸欠になって外に出てしまったが、そうとう盛りだくさんの時間で、しかし、主催者たちは11時間11分11秒にものすごいこだわりがあったので、押したりすることなくイベントは定刻通り終了した。酸欠が回復して戻ってくるとスッパさん、マーク加藤さん、橋本さんなどに会って話す。音源をもらえて、コードも教えてもらえて非常にラッキーだった。その後も初対面の人も含め、いろいろな人と話しをして帰る。3時から11時くらいまでご飯の時間以外ほとんど緊張していたので帰ったらバタンキューだった。
ライブだけのイベントだと、聞いている側は聞いている音楽が「よい」か「悪い」かしか考えないというか「好き」か「嫌い」かしか考えなくていいんだけど、今日のイベントは考える時間がたくさんあって、良い悪いのほかにモヤモヤがたくさん生まれている感があって、非常にいいイベントだと思う。のだけど、今回わたしが痛感したのは、わたしは、大勢の人の前で人に自分の考えを話したり、自分から何か発信して社会を変えたり、人にモヤモヤを生み出させるということに全然向いてないし、たぶんあんまり興味がないということだ。音楽だって好きでやってるだけで、それで何かを変えたいとか全然思ってないのかも。もう二度とないと思うけどトークでイベントに出るのは一生やらなくていいと思った。すごくいいイベントなんだけど、わたしはなんとなーく荷の重さを感じるというか、「良い」か「悪い」かしかない、ライブだけの空間の方が結局、居心地がいいんだなあと思った。