2年ぶり

武蔵小金井アートランドにてスッパさん企画演歌ころがし祭りに出演する。テーマに従って1人5分演奏をするというもの。スケジュールの書いてあるメールを見て知ったのだけど、2年ぶりの出演だった。(前回はピアノ祭り)
どうせだから出来る限り早く行って他の出演者を見ようと思っていたのに仕事で史上最大の大失敗をし、会社の人と印刷所と発送屋さんにペコペコ謝ったりしていたので着くのが遅れてスッパさんは見れず。わたしが来た時には(音がバンド名)のよっちゃんがやっていたのだけど、すっかりもの慣れた様子のものすごいこぶしパフォーマンスにびびる。仕事で落ち込んでいたのもあって、「もう帰ろうか」という気分にもなったが、中西ちゃんがわざわざ見に来るのもあって何とかもちこたえる。
その後も藤井君を筆頭に次々エキセントリックな人、変な人(失礼)が出てきてこれはもう素面ではやっていられないと思い、ビールを飲んでみるものの全くいつものダラしない気分にならない。正面の駐車場に行って練習しようとしたら何やらものすごく上手そうな人がまたもやこぶしをきかせていて、練習できなかった。
演歌と言った時に最初に思い浮かべたのは北杜夫のエッセイで、杜夫が地方の精神病院に飛ばされた時、どこかから「リンゴ追分」が聞こえてくるというシーンであった。その場面が演歌的で、とても好きだからリンゴ追分を歌う、と決めていたんだけど、美空ひばりバージョンを結局一回しか聞けなかった。なぜなら、同じイベントの出演者である同居人に何の曲をやるか知られたくなかったからなのだ。しかし、その後コソコソとUAのCD(リンゴ追分のカヴァーが収録されているやつ)を借りたりしていたのでバレていたかもしれないが、それでも隠したいという理由で家で練習できなかった。なので、ほぼぶっつけ本番みたいな状態だった。ヘン度もエキセントリック度も中途ハンパなわたしは短く、心をこめて歌おうと最初から思っていた。ヘンな人たちは皆異様に「長い」という共通項があるからだ。下手だったけど心をこめて歌ったので満足した。司会の人とのトークはまたもや苦手でつらかったが、向こうも察してくれて短かったので助かった。終わった後の爽快感が何とも言えなかった。
わたしはタスケと富桃ちゃんのパフォーマンスに一番演歌を感じたのだけど、その他にも高橋英樹さん、あとは命を削ってるんじゃないかとフツウに心配になったじゃみへんのパフォーマンスが心に残った。何が演歌だか分からない人も何人かいた。
それにしても、いつも人前で歌を歌っている人は本当にえらいなあ。わたしはいつもしんちゃんやヒロやスッパさんや三村さんの隠れ蓑の中でラクチンしているなあ、と思った。