トム・モレロとアンチバラスの夜

昼から起きて、ちょっと買物。夕方からまた出発。この日はプログラムを見て、メキシコ・ナイトを見に行こうかと言っていた。なぜならメキシコナイトのトリは「panda」だからだ。パンダフロムメキシコ。気になって仕方ない。とりあえず前日と同じ韓国料理店へ。
・カレー(今日はボンカレーみたいな味)
・プルコギ丼(昨日はにんにくを入れ忘れたようだ。スタ丼みたいな味)
・ヌードルガーデン(中西ちゃんが頼んだもの。味がない。生野菜がいっぱい。)
同じものを頼んでも味が全然違う。昨日はご飯も赤飯だったのに今日はフツウの白米。作った人が違うんだろう。マニュアル化とかしてるはずがない。しかしこっちの食べ物はどれもエサっぽい。野菜はほとんどが生。岡本さんがカフェで食べたサラダはブロッコリーが生だったそうだ。
ミートパペッツがフツウの田舎臭いロックバンドみたいな感じで好みではなかったので、教会にトム・モレロを見に行く。これがめちゃくちゃよかった。歌詞が、英語なのにちゃんと伝わる。どうして今歌を歌っているのかが本当に伝わった。スタンディングオベーションが起きる。カメラマンが泣きながらシャッターを押している。
深く感動して、地元のバンド、グループ・ファンタズモをちょっと見てから今度はHIROMI(上原ひろみ)を見に。しかし彼女はキャンセルであった。そのことが分からず代理出演のどうでもいいようなヘナヘナしたジャズバンドをうっかり長時間聞いてしまう。同じくHIROMIを見にヒューストンから来た酔っぱらいのおっさんと話す。言葉がほとんど通じず。しきりにイギーポップに誘ってくるんだが、我々にはパンダがあるので断る。
メキシコナイトの会場に向かう途中でものすごくかっこいい音楽が聞こえてくる。アンチバラスがシークレットで出ていたのだ!慌てて会場に飛びこんて見る。キーボードのセンスのよさに目をみはる。曲がまたすごい。日本のバンドは足下にも及ばないような、お洒落で、かっこいい音楽であった。大満足でパンダを見忘れる。

終バスで4時頃帰宅すると、亀山さんはまたもや帰っていた。「疲れました」とのこと。岡本さんはパンダを見に行ったようで、動物のパンダとはほど遠い色男のロックだったそう。

この頃からわたしは段々と東京のことを忘れはじめていた。この日の夜社長からメールが来て、ようやく思い出したがどんどん帰りたくなくなってきた。こっちに来てから携帯も時計も持たず、毎日ライブをするか、ライブを見に行って3時まで遊んで寝て午後起きるという生活で、ホントに最高だ。客もいるし、CDも売れる。嫌いな人とも無理して顔を合わせる必要もない。それにこっちでは「わたし女だから何にも分かんない」的なぶりっこをする必要もいい子ぶる必要もないから精神的に楽だ。我が強いとかヘンだとか我侭だとか性格が悪いとか言われない。同居人にしきりに「こっちで仕事探して住もうよ」と言う。これは帰って来ても本当にそう思う。英語の勉強しよう。