打ち合せ、思い出したこと

段々と正月ボケが治ってきたような、まだぼーっとしてるような。来週の土曜日はいよいよグレープフルーツムーンにて俺はこんなもんじゃないの企画なのですが、今週土曜にはお笑いとダンスとライブとDJと盛りだくさんのイベントに出演し、今週の日曜日はガルウィングレコード発足記念パーティにハズレとミッシング箱庭と真美鳥が出演します。(そして水曜はすっぱの思う壷。)出演する自分ですらすごい3バンド選んじゃったなあと思うのだから見る人は本当びっくりすると思います。magicalの伊藤さんは偉大な人だ。今日はその打ち合わせに行って来て、そこで見た岩永君が書いた1枚の絵は数年ぶりに、自分が求めていた絵はこれだったんだと思うような不思議なパワーを放つ絵でした。絵心は全く無いしアートとかはあんまり分かってないと思うのですが、ごくたまにすごくひきつけられる作品というのがあって、そういうものに出会えて嬉しかったです。

なんでそんなことを思い出したのか自分でも不思議だけど、修士論文の面接でT先生に罵倒されたことを急に思い出す。たぶん最近月収10万円の「ノラ博士」が増えているという本の書評を見たからだろう。ノラ博士というのは大学院の博士課程を出たのに職がなく、非常勤講師などフリーターをして月収10万円くらいで生活してる人のことを言うらしいのだけど、「ノラ修士」のわたしからしてみればなぜ高い高い学費を払って高い学歴ももらってるのにわざわざ月収10万円の非常勤講師とかそういう職業を選ぶのか、と不思議に思ってしまう。修士を出て博士に受かるのはほんの一握り、それから博士になってモノになるのはさらに一握りというのが文学部の大学院ではフツウだったけど(それにしたってモトの人数が少ないからその割り合いは結構高いような気がする)わたしの知ってる限り研究者としての適性がない、とか他いろいろな理由で研究生活が続けられなくなった時に自分で就職活動する人はかなり少なかった。大体最初は先生か、院の先輩に泣きつくというパターンで、そうしてやってくるのが高校か中学の非常勤講師の職である。これはとても薄給ではっきり言って先生になりたかったのならともかくそうでないなら単に割に合わないバイトであるとわたしは思う。(1コマあたり条件よくても1万円。めいっぱい、週20コマ担当しても20万円。週20コマは授業の準備時間とか考えると超キツい。保険はたいてい入れない。そして夏休みは無給なので塾などでバイトする、らしい。)自分で仕事探せばいいのに。で、仕方なく先生になったものの研究へのミレンを捨てきれず、大学にしょっちゅうしょっちゅう遊びに来ている人たちもたくさんいた。わたしも正直就職活動なんてしたくなかったけどせざるをえなくなったのは修士論文の面接で学部の時にわたしを院に推薦してくれたT先生がわたしを院に送ったのは間違いだったと言って論文の字の間違いや欠点を長々と指摘してもう研究は辞めた方がいいとはっきり言ってくれたからだ。その日以来先生とは会ってない。学部の時先生とゼミが終わるたびに楽しく飲んで、文学の話をしていたこと、先生の論文を読んで研究者になりたいと思ったこと、先生がその後押しをしてくれたことなどいろいろと思い出して目の前は真っ暗になり、あまりにもショックだったのでそのことはもうすっかり頭の中から消し去っていたけど、最近はもう研究へのミレンがなくなったのでふと思い出したのかもしれない。今思えばダラダラと学校に残って無駄な時間を費やす事なく、自力でなんとか生きていけるだけの収入を貰える仕事を見つけて、楽しく音楽をやっているのは先生のおかげなので感謝している。始業時間が早すぎるし自分自身が全然躾けられてないから学校の先生は無理だもんね。