清澄

清澄白河の元マジックルームが入ってたギャラリーに、遠藤一郎の個展と、Chim↑Pomの個展を見に行く。道に迷ってしまい、一郎のクロージングパーティには間に合わず。終わってヘトヘトになってる一郎に、「ちょっと遅刻して見れなかったんだけど、何やったの?」と聞くと、「そういうこと本人に聞くなよ。」と怒られる。確かにそうです。
Chim↑Pomの展示は、水野君というChim↑Pomのメンバーが、マジックミラーの部屋の中でカラスとネズミと20日間暮らすというもの。ちょうどわたしが行った日が最終日で水野君が外に出てくる日ということでなんとなく緊張しながら他の展示物を見て待つ。カラスの剥製を持っているとカラスは仲間を助けようとして集まってくるらしくて、その習性を活かして国会議事堂や109やナベツネの家とかにカラスを集める映像が上映されていて、それがすごくおもしろかったです。嘘みたいにカラスが集まってくるので、あれはすごいと思う。ちょっとやってみたい。
カラスは途中で死んでしまったらしく、剥製になっていた。ネズミはすごい元気。水野君の日記によると、死んだカラスの肉は水野君が食べたらしい。わたしは同居人づてにそれを聞いただけで絶句してしまったんだけど、どんなひどい状態なんだろうと思って実際に見に行くと水野君はいたってマイペースで寝っ転がったりネズミと遊んでいた。しばらくして屋根が開けられて、水野君が外に出てきた。しばらくは乾杯したり、皆が拍手したりして盛り上がったんだけどそれもすぐに終わって、女の子たちは「すごい感動したねー、泣いちゃったよー、じゃ、帰ろっか。」とかいって帰って行って、水野君もごくごく普通に皆の輪からちょっと外れた所で一人でバナナを食べていたのでびっくりした。Chim↑Pomのことは一郎の友達というだけで殆ど知らないけど、なんだかこの人はすごい人なんじゃないか、と思った。
ふだんわたしはカラスもネズミも大嫌いで、とにかくかかわりたくないと思ってるんだけど、Chim↑Pomの作品を見ているとカラスもネズミも人間も、都会でサバイバルしている全く同列の生き物なんじゃないかという気がしてきて、それがとても不思議でした。
この展示ではじめて知ったんだけど、代々木公園には大きなカラス用の罠があって、そこには1万羽のカラスが入っていて、最後には殺されて焼かれるらしい。そんな社会の問題を、びっくりするような方法で作品にすることによって、皆にもちょっと考えさせるような、こういうのが現代アートってやつなのかと思って、アートはてんで分からないわたしにもとてもおもしろかったです。そして、展示の抗議にやってきたらしい、動物愛護の人は、まずは代々木公園のカラスの所に行った方がいいんじゃないの?と思いました。