NRBQ

この29年間で一番たくさん聞いたアルバムといえば、NRBQの「スクラップス・コンパニオン」です。音楽を熱心に聞くようになったのは12歳くらいから、このアルバムに出会ったのは2年くらい前だから、いかにハイペースでたくさん聞いてきたかが分かります。宗教には今のところさほど興味ないんですが、これを聞いたとき、今までやりたいと思っていたことは間違ってないと太鼓判を押されたような気持ちになって、神様に出会うっていうのはこういうことかもしれないな、とすら思ってしまっているのです。
このアルバムはライブ音源集なんですが、しょっちゅうハウってるし、拍手もパラパラだし、客席にいる犬の鳴き声が聞こえてきたりもするんですが、演奏してる人たちがほんと楽しそうで、その人たちにしか出せないグルーブ感があって、「スクラップス・コンパニオン」を聞くと音楽っていいなあといつも思います。
わたしは大体、何か好きになると病的に熱狂的になって、全部収集したり、いろいろな手段を駆使して調べ上げたりするんですが、NRBQに関していえば、このアルバム1枚だけで十分という気持ちになり、調べたい気持ちが起こらず、彼らのことは来年で活動40周年になる永遠のドサまわりバンドだっていうこと以外は正直あまりよく知らないのです。しかし、昨日たまたまインターネットで検索したら、この「スクラップス・コンパニオン」はNRBQ3枚目のアルバムで、ドラムは現在のトム・アドリーノではなく、トム・ステイリーというオリジナル・メンバーで、ヴォーカルにフランク・ギャドラーという人が入ってるということが分かり、どうもユーチューブで見たNRBQと、「スクラップス・コンパニオン」のNRBQはちょっと違うなあ(後者の方が演奏が渋い)と思ってたナゾがようやく解けたのでした。個人的にはトム・アドリーノの暴走機関車のようなドラムよりも、トム・ステイリーのなんでもないようなドラムの方が、テリーのムチャクチャなピアノを引き立ててるんじゃないかと思います。
といっても、もちろん映像で見る最近のNRBQのけっこうひどい感じもわたしは大好きなので、おすすめのライブをここにいくつか貼ろうと思います(下の方の映像はお客さんが誰も見てない上、これでもか、これでもか、と馬鹿みたいな学生がウロウロと通り過ぎていく学園祭かなんかの映像で、他人事とは思えない閑散とした状況に涙すらでてくるすばらしい映像です)。