アルバムできました

今日うちにアルバムのジャケットとCDが届きました。あとはオビだけなので、10日のスーパーデラックスのライブで売ることが出来る可能性は90%くらいです。ジャケットの絵は田中麻記子さん、デザインはTOKYOHELLOZの寺澤君が手がけています。
思えば長い道のりでした・・・録音を始めたのがいつからかあんまり覚えてないけど、コンピに参加するために「スタジアム」と「遊星からの物体X」を録音したのはたぶんもうおととしのことなんじゃなかろうか?「epitonic」「2」と比べて、そしてわたしがこれまでに参加した(数は多くないけど)他のバンドのレコーディングと比較しても、新しいアルバム「OWKMJ」はとんでもない手間暇をかけて制作されました。
まず、同居人がハードディスクMTRとギターとマイクとケーブルとその他もろもろ大量の機材をリュックとデイバッグとギターケースに詰め、わたしはノードエレクトロとピアニカを持って某区民センターに向かいます。丸一日もしくは午後から夜まで予約できるのはもちろん平日なので、仕事を休んで朝から出かけます。車を持っていないわたしたちは電車に乗って、西武新宿駅に着いたらタクシーに乗ります。徒歩ではとてもじゃないけど運べる荷物ではないからです。(アウトドア用の巨大なリュックが特に重くて「岩」と呼ばれてました。)タクシーの運転手さんにもいろんな人がいます。なんかのPV流してる若者風のおじさんとか、ものすごい少量の音量でクラシックをかけてるおじさんとか。某区民センターの前で下ろしてもらって、荷物をとにかく10階まで運びます。だいたいわたしらか武田さんが先に到着して、町田さんとあだちくんは後から来ます。まずはいろいろと繋いでセッティングします。ドラムが一番時間かかります。セッティングはよく分からないのでわたしは11階の受付に手続きに行きます。そこには「中村(仮名)」という名札が着いているけれども日本語がカタコトのバイトとおぼしき女の人と、神経質そうにノートパソコンに向かっている正規職員とおぼしき女の人がいます。中村さんは何言ってもあんまり通じないし、手続きもすんごい適当です。普通のケーブルとマイクのケーブルの違いが何回言っても分かりません。ものすごいスリットの入ったピンクのスカートとか、フラメンコダンサーみたいに胸の空いた服を着てきちゃったり、長ーい爪にラインストーンがびっしり付いてたり、公的機関の人とは思えません。でも楽しそうに仕事してるので中村さんのことは結構好きです。それから、わたしはおやつの買い出しに行きます。録音は昼から一日中なので、お腹が空くのです。わたしはいつもたいてい、新発売の変な味のポテトチップスなどを買ってくるのであまり好評ではありません。それから近くのカフェでおいしいカフェラテを自分用だけに買って飲みながらスタジオに戻ります。その頃にはあだちくんも来ていて、録音開始です。とはいってもサックスは後から重ねるのであだちくんは本を読んだりどっかでブラブラしていて、ドラム・ギター・ベース・キーボード(ノードエレクトロ)だけでまず録音します。某公民館の機材はなぜかすべてヤマハです。なので、たけださんは自分のドラムセットを持ち込む日も結構ありました。何回も録っては聞き、録っては聞き、納得のいくテイクができるまで撮りなおします。どのテイクがいいか、という話になるとわたしは大抵きかんぼう状態になって譲りません。いいテイクだけピカピカ光って聞こえるのです。気のせいだと思うけど。そのテイクで例え自分が無様な失敗をしていても気にせずそれがいいとわたしは言います。みな優しいので大体わたしの意見が通ります。ベーシックが録り終わったら次はオーバーダビングです。まずはあだちくんのサックス、それからボーカルが有る曲の場合にはボーカルを録ります。「遊星からの物体X」の町田さんの歌がホントすごすぎて、やばすぎて、笑いそうになってしまったけどなんとか耐えたりとかいろいろありました。そしてあっという間に時計は夜9時くらいになって、最後にわたしのアコースティック・ピアノを録ります。エレピっぽい音色にしたかったいくつかの曲以外はすべてアコースティック・ピアノに後で差し替えしたのです。9時45分までに全部片付けをしなければならないので、ピアノはたいてい一回しか録りません。終わったら大慌てで片付けます。なんとか町田さんの車に詰め込んで西武新宿駅まで乗せていってもらいます。途中、歌舞伎町のど真ん中を通ります。ネオンがきれいで、ホストがウジャウジャいて頭がクラクラします。なんとかホスト通りを通過して電車に乗って帰ります。そんなこんなで一回に録るのが2曲、一年かけて5,6回そんなことをやりました。それから、家でシンセやピアニカ、わたしの声を何回もオーバーダビングしました。同居人は横浜まで行って大谷さんの声を録音しました。そうやって、このアルバムは完成しました。夏前に突然、あだちくんがバンドを辞めると言い出して、とても寂しかったけど、イヴェントをやって送り出しました。その後に一回だけレコーディングがあって、その時、ファーストに収録されている「海」という曲を録りました。
それから、アルバムを作るにあたって、たくさんの人が物凄い時間と手間暇と気持ちをかけて、協力してくれました。特に田中さんと寺澤君には本当に感謝しています。ありがとうございました。
タイトルにバンド名を冠した通り、結成以来8年間のすべてがここには詰まっていると思います。新しいアルバムをどうかよろしくおねがいします!