1Q84読了

デヴィット・リンチと村上春樹の新作を待つことができるのが、この世代に生まれた人生の喜びの一つであるなあ、と思いながら「1Q84」を木曜の夜、芳林堂で買って(同じ2冊セットを持っている人がレジにいっぱいでした)、金曜の朝通勤電車で読んで、昼休み読んで、帰りの電車で読んで家に帰ってちょっと読んで1巻目終了、2巻目は今日の朝からぶっつづけで読んで、さっき読み終わってしまいました・・・ああおもしろかった!けど、こんな急いで読んでもったいない・・もっとゆっくり読めばよかったよ。
1Q84」が年号であることになぜかぼーっとしてて気づかず読み始めたんですが、青豆の着ているスーツがジュンコ・シマダであるところでああ、これは80年代の日本なんだ、とふと思い出し、天吾の話がはじまってからはもう日常生活がめんどくさくなるくらい一気に読み切ってしまいました。高円寺、麹町、とか最近歩いたことがある場所がたくさん出てきたせいか、読んでいてこれまでで一番映像がはっきり浮かんだかもしれません。誰でもオウムを連想してしまうだろうカルト教団、目に見えないけどはっきりとした悪の存在、年上の「ガールフレンド」、美しい少女、とおなじみの要素が満載だけど、今回の主人公の「青豆」と「天吾」がこれまでにないくらい好感が持てる人物設定だったので、いつもに増してすごく楽しく、かつ重たい気持ちで読みました。そして、最近めっきり恋愛小説に興味がなくなってしまったわたしですけど、これは「マルホランド・ドライブ」以来ぐっとくるラブ・ストーリーだったなあと思いました。村上春樹の恋愛小説の中で今までで一番好きだと思う。続きがあるのなら一刻も早く読みたい気がするし、ここで終わりにしてくれていいかなという気もする。とりあえず、今からもう一回読み返してみます。