あかずの扉

今から数年前、引っ越してまもなくのころ、わたしの部屋の網戸には穴が空いていることが判明したので、それからずっとそこはあかずの扉となっていたのですが、先日確認したらなぜか穴は空いていなかったので(なぜ?)、網戸にしたら風が吹いて涼しいの何の、でも、一応虫が入ったらやだから蚊取り線香をジャンジャンたいてこれを書いています。
何年かに一度やってくる森茉莉ブームが今来ていて、「贅沢貧乏」「記憶の絵」「マリアの気紛れ書き」と読んでいってます。なかでも、「マリアの気紛れ書き」がわたしはほんとうにお気に入りで、何かについて書いているはずなのにどんどん脱線していって最後は恨み言(しかも、前に別の本で書いてる話ばかり)というパターンが繰り返されるだけなのに何でこんなにおもしろいのか、と思うのです。森茉莉と自分が似ている、と思っちゃう女の人はたくさんいると思いますがわたしもその一人で、あんなにお嬢様育ちではもちろんないし、あんなにうぬぼれられないけれども、赤ちゃんがそのかわいさを抜かしてそのまま大人になったような、現実感がなくぼやーっとしていてかなりワガママ、おまけに食い意地が張っていてケチ、怒りっぽい、しかし、そんな自分を笑っている、という茉莉の性質は、要するに、兄弟がたくさんいる家の長女だったら誰でも茉莉的素質を持っているのではないかと勝手に思っているのです。
「OWKMJ」「KK」「漫想」と、家が在庫の段ボールだらけになってしまったので、自分の持ち物をどんどん処分中なのです。いらない本をブックオフに送るべく、昨日段ボールに川上弘美江國香織などの恋愛小説類、ついでに少女漫画の類をバンバンつめました。ここ2,3年で読み返してない本は全部売るつもりなのです。川上弘美とか、すごいなあとは思うんだけど、なんで読み返さないのかって考えると要するにわたしは真面目で深刻な恋愛小説に対してほとんど興味がないということに気づいたのでした。で、前置きが長いけど、そんな恋愛小説嫌いのわたしも「いけちゃんとぼく」には青山ブックセンターの中で大泣きしてしまって、その後スーパーデラックスにテストトーン見に行けなかったほどなので、オススメです。思い出して会社でも泣いてしまったくらい。鴨ちゃんを知ってる西原ファンで、あれを読んで泣かずにいられる人はいないでしょう。映画になってるらしいけど、こんなもんが映像になってしまったら絶対また泣いてしまうよ!
それから、タコシェで売り切れになっていた漫想4号ですが、本日再入荷しました!KKも入荷しました!タコシェさま、いつもありがとうございます!!!
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