先鋭と愛

先鋭と愛2終了しました!ものすごく寒い雨の日にもかかわらず、たくさんの人が来てくれて感謝、感謝です。企画をやるたびにいろいろな人に助けられてここにいることを実感します。
そして、、、今回の企画の裏テーマは、実は「ヒドい」でした。去年の秋に山本精一さんにイベント出演依頼をするためにグレープフルーツムーンに行き、お話した時に、「一生懸命やった結果、ヒドいライブになってしまう、というのは世の中にままあることだけれども、わざとヒドいことをやろう、と思ってやったらどうなるんだろうか。」という話になり、今回の企画が生まれました。今まで、いろいろなところで、いろいろな人と演奏していて、ヒドい事態というのは何回か勃発していますが(この日とか→http://d.hatena.ne.jp/mansoka/20060226)これは、当然ながら普通に一生懸命やった結果、ヒドいことになったのです。しかし、全力でヒドい感じにしたいと思ってやったら、狙い通りヒドくなるのか、ならないのか、しかも、機材を壊す、とか、客を殴るとか、何か投げるとか、そういう分かりやすい形ではない、グレーゾーンのモヤモヤな部分を追求したいとわたしはわたしなりにちゃくちゃくと準備しながら考えていたのです。
たくさんの人がいいと思うバンドって、オシャレで凝ってて、素敵で、美しくて、分かりやすいメッセージがあるものだなあと思うのですが、そういうの別に自分は担当しなくていいんじゃないかなと思うのです。自分にとって必要な音楽というのはそんなに耳障りのいいものではなくて、とても業が深い感じなのです。
オープニングアクトでお賽銭泥棒に出演してもらったのも、自分たちより一世代下のバンドが、最短距離で自分たちのやりたい方向に効率よく進んでいる印象を受ける中、はぐれて、目隠しされちゃっているかのような迷い猫感に、とてもシンパシーを感じているからなのです。
結果としては、自分で思っていた以上にピースフルで、てんこもりなヒドい空間を作ることができたんじゃないか、と思って、ちょっとした達成感でいっぱいです。我々もがんばったけど、言うまでもなく山本精一さんの「ドラムノイズ叩き語り」が必要不可欠だったと思うし、BGMならぬBGO(バック・グラウンド・おしゃべり)の大谷さんの存在も大きかったのです。そして、私の中で「何コレ???」値がMAXに達したのは、「気楽な稼業」の最中に、不必要にピョンピョン跳ねる、大谷さん・スッパさん・まちださんなのでした。みんないい年なのに何してるんだ、ほんとに。諸先輩方を見習って、謎の世界を今後も進んで行きたいと強く思います。